ヨーロッパ旅行記 第9回:もしスペインに1日しかいられないなら、迷わずトレドに行け
旅行日:
2025-02-24
「もしスペインに1日しかいられないなら、迷わずトレドに行け」と言われるくらい、魅力に溢れた街トレド。 この言葉は、トレドがスペインを象徴する街であり、その美しさや歴史の豊かさから、短い滞在でも訪れる価値があるという評価を強調する表現です。 かつてスペインの首都であり、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教が共存した歴史を持つこの街は、スペインのエッセンスが凝縮されている場所とも言われます。 また英語にも “If you can only visit one place in Spain, make it Toledo.”(スペインで1カ所しか行けないなら、トレドに行きなさい) といった言葉があるように、世界中でその価値を認められているトレド、そんな街に潜入してきます。
マドリードから35分、古都・トレドに到着
まずはマドリードからトレドへ、高速列車で移動します。 ホステルからメトロでアトーチャ駅へ行き、そこから高速列車に乗車、トレドに向かいます。 トレドまでは約35分、遂に到着です。 トレド駅に着くと、いきなりマドリードとは違った雰囲気に歓迎されます。 なにか時が止まっているかのように感じさせる雰囲気は、かつての首都をそのまま残しているトレドを表していました。
駅から10分ほど歩いてトレド旧市街中心部に向かいます。 旧市街中心部はまさに圧巻。 迷路のように入り組んだ路地とその隙間から見える建物は中世の街並みが残っており、タイムスリップしたかのような光景です。
まずは「トレド大聖堂」に向かうことにしました。 トレド旧市街の道はとても入り組んでおり、たどり着くだけでも一苦労。 行き止まりに何度か苦しみながらもなんとかトレド大聖堂に到着します。
ゴシック建築ながらもところどころにムデハル様式が見られるその建築はまさにトレドが様々な支配者によって統治されてきた歴史を表しているようでとても感慨深いものがありました。
その後は「サン・フアン・デ・ロス・レージェス修道院」へ向かいます。 こちらはすみません、私の知識不足でよくわかりませんでした。 次回行く機会があれば、しっかりと勉強をしていきたいです。
旧市街を一望できる名所へ
その後は旧市街を一望できる展望台「ミラドール・デル・バイエ」に向かいます。 このミラドール・デル・バイエまで行くにはいくつか方法があり、よく使われるのは観光バスとトロールバスです。
「ミラドール・デル・バイエ」への行き方は こちらの記事 で詳しく解説しています。
しかしそのどちらも旧市街中心部から発着しており、サン・フアン修道院は街のかなり外れのほうにあります。 そのため選択肢はローカルバスか、徒歩しかありませんでした。 さすがに徒歩1時間はきついと思い、バスに乗ることにします。 幸いサン・フアン修道院の近くの橋を渡ったすぐ先にバス停があったのでそこで待ちます。 しかし時間になっても中々来ません。 私がバス停に着いたのがギリギリだったのでもう行ってしまったのだと思い、バスは1時間に1本なので、仕方なく歩いていくことにします。 しかし5分ほど歩いたところで事件が。 私が乗ろうとしていた「L71」のバスが横を通り過ぎていきます。 どうやら少し遅れていた模様。 あと1分でも待っていれば乗れたことに後悔しながら、どうしようもないので歩いていきます。 しかし歩いてよかったなと思うことが1つ。 一番有名なのはミラドール・デル・バイエですが、道中には他にも旧市街を見渡すことができる展望台がいくつもあります。 ローカルバスはミラドール・デル・バイエの近くにしかバス停はありませんし、トロールバスや観光バスでは、そのすべてを回ることはできませんが、歩いていくことで違った展望台から見るトレドの様々な顔を見ることができました。 時間や体力に余裕のある方は、1度だけ、「サン・マルティン橋」から歩いて行ってみるのもいいかもしれません。
息を呑むトレドの絶景
歩き始めて約1時間、ようやくミラドール・デル・バイエに到着です。 そこから見たトレドの景色はまさに息を呑むそのもの。 その美しさに圧倒され、しばらく動くことさえできませんでした。 間違いなく私が見てきた景色の中では1番です。 旧市街を囲むように流れるタホ川と、その向こうに広がる大地のコントラストが印象的でした。 この景色だけでトレドに来る価値があると思います。
帰りはさすがに歩きたくなかったのでバスで帰るつもりでしたがまだ時間があったので少し周りを散歩していると何やら登れそうな岩山があります。
そこからだとより良い景色が見れそうだったので登ってみることに。 予想通り、少し高くなった岩山の上から見る景色はとてもきれいでした。
ただきちんと整備されているわけではないので注意が必要です。 岩山から降りたタイミングで丁度バスが来たのでそのままバスに乗り込みます。 料金は先払いで、クレジットカードのタッチ決済が使えました。 料金は2.5ユーロです。 バスで旧市街中心部まで戻り疲れていたので少し休憩。 カフェに入りパンとコーヒーを注文します。 カフェでゆっくりとしながら今日の夜ご飯のお店を探していました。
タホ川の風になる
夜ご飯のお店も決まり、休息もとれたのでまた観光再開です。 まだ夜ご飯には早かったのでトレドの人気アクティビティ、「Flyトレド」を体験してみることに。 旧市街の端、サン・マルティン橋に横にあるジップラインで、タホ川の上を滑空することができます。
料金は写真付きで16.40ユーロ。とても楽しいアクティビティなので時間がある方は是非体験してみて欲しいです。 アクティビティを楽しんだ後はゆっくりと旧市街を散策しながら夜ご飯のお店に向かいます。 トレドのお店はどこも可愛いものだらけで欲しいものがたくさんになり困りました。
また謎のモニュメントもありました。 これは何なのでしょうか、有識者の方、教えてください。
その後、夜ご飯を食べに行きます。 選ばれたお店は「Cervecería La Abadía」。
ここではトレドの伝統料理、「カルカムサス」と「Tinto de verano con espuma de maracuya」というワインとビールの間のような飲み物を頼みました。
カルカムサスは少し味が濃い目でしたがこの旅で1,2を争うくらい美味しかったです。 また飲み物も少し甘い味わいで美味しかったです。 食事後は自分へのお土産用にトレド名物「マサパン」を買いに「サント・トメ」の本店に行きます。
あいにく一人なので、一番小さいサイズのものを購入。後で食べます。
トレドの夜の絶景
その後は昼に行ったミラドール・デル・バイエから夜景を見るために、また展望台に向かいます。 今回はさすがに歩きたくないので、中心部からローカルバスに乗っていきます。 さすがに始発の場所なので時間通りバスが到着、早速乗り込んでミラドール・デル・バイエに向かいます。 無事到着したミラドール・デル・バイエから見るトレドは昼の景色とはまた違う美しさであふれており、本当に綺麗でした。
そして昼間に登った岩山にも上ってみます。昼とは違い夜は何人かの人が岩山の上にもいました。 なんかカップルが多い中一人で行くのは少し気まずかったです。 ここから見る景色もやはり圧巻。街の一つ一つの建物からあふれ出す生活の光がトレド旧市街全体を照らし出していました。 夜景を見た後は帰りの高速列車の時間が迫っていたのでそのまま駅に向かいます。 ミラドール・デル・バイエからトレド駅まではバスが出ていないので歩いて向かいます。 約30分で着きました。そのまま高速列車に乗り込んで、アトーチャ駅で乗り換えてホステル最寄りの駅で降り、帰宅&就寝です。 ちなみにお土産用に買ったマサパンはこの高速列車の車内で食べました。 とても美味しかったです。 けど写真撮るの忘れてた。
「スペインに来たならば、必ずトレドに行け」
こんな言葉が自然と口から出てしまうくらいには、トレドは魅力的な都市でした。 よく言われる格言は、ガイドブックなどでよく使われるキャッチコピー的な言葉のため、単に誇張した表現なのかと思っていましたが、そんなことはなくむしろ控えめな言い方だと感じるくらいでした。 日帰りでの滞在でしたが、トレドの魅力に魅了され、決して忘れられない一日となりました。 もしスペイン旅行を計画しているならば、その予定に必ずトレドを組み込んでください。 私は、スペインに来た人全員がトレドを訪れるべきだと、そう思います。絶対に後悔はしません。
さてこんな魅力的な体験ができたヨーロッパ旅行も明日はいよいよ帰国の途につきます。 様々な経験をすることができたこの旅ももう締めくくり。 最後まで全力で楽しんでいきます。